【大阪市版】不動産相続にかかる税金について相談した事例

1. 大阪市の不動産相続で相談が多い税金とは?
不動産を相続するときは、相続税だけでなく、相続登記の登録免許税、保有中の固定資産税・都市計画税、売却時の譲渡所得税など、時期の異なる税金を確認する必要があります。
本記事でご紹介する3つの相談事例
①相続税を確認するため実家の価値を知りたいケース
②固定資産税と維持費を確認して保有を検討したケース
③相続空き家の3,000万円特別控除を利用して売却したケース
事例について
実際の関係者や物件が特定されないよう、複数の相談内容をもとに一部の情報を改変・翻案した参考事例です。税額や特例の適用結果は、相続財産・相続人・取得時期などによって異なります。
2. 相続不動産に関係する主な税金
| 時期 | 税金 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 相続時 | 相続税 | 正味の遺産額が基礎控除額を超える場合に課税される可能性 |
| 相続登記時 | 登録免許税 | 相続による所有権移転登記は原則として固定資産税評価額×0.4% |
| 保有中 | 固定資産税・都市計画税 | 毎年1月1日時点の所有者へ、課税標準額をもとに課税 |
| 売却時 | 印紙税・譲渡所得税など | 紙の売買契約書や、売却益が生じた場合に負担 |
不動産会社の査定価格と税金の評価額は別物です
不動産会社の査定価格は、市場で売却できる可能性のある価格を算定するものです。相続税では、土地は原則として路線価方式または倍率方式、家屋は原則として固定資産税評価額を用いて評価します。固定資産税も、売却査定額ではなく課税標準額をもとに計算します。
3. 事例1|相続税を確認するため実家の査定を依頼したM様
| 所在地 | 大阪市住之江区 | 種別 | 一戸建て |
|---|---|---|---|
| 建物面積 | 52.16㎡ | 土地面積 | 60.75㎡ |
| 築年数 | 約40年 | 査定価格 | 約510万円 |
| 間取り | 3DK | 相談者 | 大阪市在住・50代 |
ご相談内容
お母様の死亡により実家を相続することになったものの、相続税がかかるのか、何を調べればよいのか分からないというご相談でした。
確認したい課題
相続財産全体の把握に加え、不動産の相続税評価と市場での売却価格の違いを整理する必要がありました。
相続税の基礎控除を確認
相続税の基礎控除額
3,000万円+600万円×法定相続人の数
たとえば法定相続人が1人なら3,600万円、2人なら4,200万円、3人なら4,800万円です。
相続税は、不動産だけで判定するのではありません。預貯金、株式、生命保険金の一部などの財産を加え、借入金や一定の葬式費用などを差し引いた正味の遺産額を基礎控除額と比較します。
基礎控除以下でも自己判断だけで終わらせない
配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例などを使って税額がゼロになる場合は、相続税の申告が必要となることがあります。相続開始を知った日の翌日から10か月以内という申告・納付期限にも注意してください。
M様へのご提案と結果
当社では実家の売却査定を行い、現在の市場価格の目安をご説明しました。一方、相続税の判定に使う不動産評価は査定価格と異なるため、固定資産税の納税通知書、路線価、預貯金、保険、債務などの資料をそろえ、税理士へ確認するようご案内しました。
資料を整理した結果、正味の遺産額は基礎控除額を下回る見込みとなりました。M様は売却を急がず、維持費と将来の売却価格を比較しながら実家の処分方法を検討することになりました。
\ 相続税評価とは別に、現在の売却価格を確認 /
相続した実家を無料で査定します
売却するか決まっていない段階でも、保有・賃貸・売却の判断材料をご案内します。
4. 相続登記にかかる登録免許税
相続した不動産を売却するには、原則として相続人への所有権移転登記を完了させる必要があります。2024年4月1日から相続登記は義務化されており、相続により所有権を取得したことを知った日から原則3年以内に申請します。
| 項目 | 一般的な内容 |
|---|---|
| 登録免許税 | 原則として固定資産税評価額×0.4% |
| 戸籍・証明書取得費 | 被相続人と相続人の関係、住所などを証明する書類 |
| 司法書士報酬 | 依頼内容、不動産数、相続関係の複雑さによって異なる |
登録免許税が免税となる場合もあります
一定の土地については、2027年3月31日まで相続登記の登録免許税が免税となる措置があります。一律に適用されるものではないため、法務局または司法書士へ確認してください。
5. 事例2|固定資産税と維持費を確認して保有を選んだK様
| 所在地 | 大阪市住之江区 | 種別 | 一戸建て |
|---|---|---|---|
| 建物面積 | 62.45㎡ | 土地面積 | 55.02㎡ |
| 築年数 | 約50年 | 査定価格 | 約580万円 |
| 間取り | 4DK | 相談者 | 堺市在住・60代 |
ご相談内容
思い出のある実家を残したい一方、誰も住まない家を保有すると毎年どの程度の費用がかかるか知りたいというご相談でした。
確認したい課題
固定資産税だけでなく、都市計画税、火災保険、修繕、草木の手入れ、現地までの交通費などを確認する必要がありました。
大阪市の固定資産税・都市計画税
| 税金 | 大阪市の税率 | 主な計算方法 |
|---|---|---|
| 固定資産税 | 1.4% | 固定資産税の課税標準額×1.4% |
| 都市計画税 | 0.3% | 都市計画税の課税標準額×0.3% |
査定価格580万円×1.4%では計算できません
不動産会社の査定価格は売却市場での価格目安です。固定資産税は、大阪市が決定した評価額をもとに算定した課税標準額へ税率を掛けて計算します。住宅用地特例や負担調整措置もあるため、納税通知書の税額を確認するのが確実です。
K様へのご提案と結果
K様には、固定資産税・都市計画税の納税通知書を確認していただき、年間の火災保険料、最低限必要な修繕費、空き家管理費も含めて保有コストを試算しました。
査定価格は約580万円でしたが、査定価格から固定資産税を推測せず、実際の納税通知書を基準に判断しました。K様は当面の費用を負担できると判断し、定期的に管理しながら数年間保有することになりました。
空き家を放置すると税負担が変わる場合があります
管理不全空家または特定空家として勧告を受けた敷地は、固定資産税等の住宅用地特例から外れる可能性があります。保有する場合は、税金だけでなく建物の安全管理も必要です。
6. 相続した実家を保有するときの年間費用
固定資産税・都市計画税
毎年1月1日時点の所有者に課税されます。納税通知書で実額を確認します。
火災・地震保険
空き家では加入条件や保険料が居住中と異なる場合があります。
修繕・清掃費
雨漏り、給排水、屋根、外壁、庭木などの維持費が発生します。
空き家管理費
遠方の場合は、換気、通水、郵便物確認、巡回を業者へ依頼する費用がかかります。
光熱費
換気・通水・防犯設備のため、電気や水道の基本料金を残す場合があります。
将来の解体・売却費
老朽化が進むほど修繕や解体の費用が増える可能性があります。
\ 保有コストと売却後の手取り額を比較 /
空き家を残すか売るか、数字で整理します
固定資産税、管理費、解体費、想定売却価格を比較し、急がず判断できる資料を作成します。
7. 事例3|相続空き家の3,000万円特別控除を利用したT様
| 所在地 | 大阪市東住吉区 | 売却時の種別 | 土地 |
|---|---|---|---|
| 土地面積 | 72.55㎡ | 成約価格 | 約1,240万円 |
| 相続前の建物 | 旧耐震の一戸建て | 相談者 | 大阪市在住・50代 |
ご相談内容
お父様から相続した実家が空き家となり、売却時の譲渡所得税と利用できる特例を確認したいというご相談でした。
確認したい課題
建築時期、被相続人の居住状況、相続後の利用状況、売却期限、売却価格など、空き家特例の要件確認が必要でした。
相続空き家の3,000万円特別控除とは
一定の要件を満たす被相続人の居住用家屋またはその敷地を売却した場合、譲渡所得から最高3,000万円を控除できる制度です。取得した相続人が3人以上の場合は、各相続人の控除上限が最高2,000万円となります。
被相続人が原則として一人で住んでいた
一定の要介護認定を受けて老人ホーム等へ入所していた場合の特例もあります。
1981年5月31日以前に建築された家屋
区分所有建物登記がされたマンションなどは原則として対象外です。
相続後から売却まで未使用
居住、賃貸、事業に使用されていないことなどを確認します。
期限内に1億円以下で売却
原則として相続開始から3年を経過する年の12月31日までに売却します。
買主が売却後に解体・耐震改修する場合も対象になり得ます
2024年1月1日以後の譲渡では、売却した年の翌年2月15日までに買主が耐震改修または取り壊しを行うなど、一定の要件を満たせば特例を利用できる場合があります。制度の適用期限は2027年12月31日までです。
T様へのご提案と結果
建物の状態、再建築条件、解体費、土地としての売却価格を調査し、税理士と自治体へ必要書類を確認しました。T様は建物を解体して土地として売却し、「被相続人居住用家屋等確認書」などをそろえて確定申告を行いました。
取得費・譲渡費用を計算したうえで特別控除を適用した結果、この参考事例では課税される譲渡所得がゼロとなりました。ただし、控除額より売却価格が低いという理由だけで税金が自動的にゼロになるわけではなく、要件を満たしたうえで確定申告が必要です。
8. 相続空き家を売る前に確認したい書類
所有者、建築時期、相続人、相続登記の状況を確認します。
被相続人の取得費を引き継ぐため、古い書類も探します。
評価額、税額、土地・建物の課税内容を確認します。
被相続人の居住状況や相続開始日を確認します。
物件所在地の市区町村へ申請し、特例要件に関する確認を受けます。
譲渡費用や特例要件の確認に使用するため保管します。
9. 不動産会社と税理士の役割は異なる
| 相談内容 | 主な相談先 |
|---|---|
| 市場価格・売却方法・買主募集 | 不動産会社 |
| 相続税・譲渡所得税・特例適用 | 税理士・税務署 |
| 相続登記・名義変更 | 司法書士・法務局 |
| 遺産分割・相続人間の争い | 弁護士 |
| 境界・建物滅失登記 | 土地家屋調査士 |
不動産会社だけで税額を確定しない
不動産会社は売却価格や売却費用の資料を提供できますが、個別の相続税・譲渡所得税の申告判断を行うのは税理士などの専門家です。契約前に連携し、特例の期限や必要書類を確認することが大切です。
10. 不動産売却サポート関西の相続不動産サポート
不動産売却サポート関西株式会社では、大阪市を中心とした相続不動産について、現在の市場価格、保有コスト、売却方法、必要な専門家を整理します。
SUPPORT 01
相続前後の無料査定
相続税評価とは異なる、現在の市場での売却価格を調査します。
SUPPORT 02
保有と売却を比較
固定資産税、管理費、修繕費、売却後の手取り額を整理します。
SUPPORT 03
税理士・司法書士との連携
相続税、譲渡所得税、相続登記など、相談内容に応じて専門家と連携します。
SUPPORT 04
空き家・残置物にも対応
現状売却、解体、更地売却、買取など、物件状態に合う方法をご提案します。
11. まとめ|査定価格と税金の評価額を混同しない
不動産相続では、相続時・登記時・保有中・売却時に、それぞれ異なる税金を確認する必要があります。相続税は、正味の遺産額が「3,000万円+600万円×法定相続人の数」を超えるかが最初の目安です。
ただし、不動産会社の査定価格をそのまま相続税評価額や固定資産税評価額として使用することはできません。市場価格、相続税評価、固定資産税の課税標準額は目的と計算方法が異なります。
相続した実家を保有する場合は、固定資産税だけでなく、保険、修繕、管理、将来の解体費も確認しましょう。売却する場合は、譲渡所得税や相続空き家の3,000万円特別控除などの適用可能性を契約前に調べます。
不動産会社の査定資料と、税理士・司法書士の専門的な確認を組み合わせることで、期限を逃さず、納得できる相続不動産の判断につながります。
よくあるご質問
不動産会社の査定価格で相続税を計算できますか?
遺産が基礎控除以下なら相続税の申告は不要ですか?
相続登記の登録免許税はいくらですか?
固定資産税は査定価格に1.4%を掛ければ分かりますか?
売却価格が3,000万円以下なら空き家特例で税金はゼロですか?
相続した実家を売るか決めていなくても査定できますか?
参考資料
- 国税庁「相続税の計算」
- 国税庁「相続税の申告と納税」
- 国税庁「土地家屋の評価」
- 法務局「相続登記・遺贈の登記を申請される方へ」
- 法務局「相続登記の登録免許税の免税措置」
- 大阪市「固定資産税・都市計画税の概要」
- 国税庁「被相続人の居住用財産(空き家)を売ったときの特例」
※本記事は2026年7月時点の法令・公表資料と一般的な不動産売買実務をもとに作成しています。掲載事例は、実際の相談内容を参考に個人・物件が特定されないよう改変・翻案したものです。相続税評価、固定資産税、登録免許税、譲渡所得税および各種特例の適用は、相続日、相続人、物件、利用状況などによって異なります。具体的な税務判断は税理士または税務署へ、登記は司法書士または法務局へご確認ください。



