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空き家の固定資産税が「6倍」になるのはいつから?管理不全空家・特定空家の仕組みと大阪の所有者が取るべき対応

本田 憲司

執筆

本田 憲司代表取締役
空き家の固定資産税が「6倍」になるのはいつから?管理不全空家・特定空家の仕組みと大阪の所有者が取るべき対応

1. 「6倍」の正体|住宅用地の特例が外れると土地の税額が上がる

「空き家を放置すると固定資産税が6倍になる」という話は、正確には住宅が建っている土地に適用される軽減(住宅用地の特例)が外れることを指しています。空き家そのものに罰金的な税がかかるわけではなく、これまで受けていた軽減がなくなる、という仕組みです。

📌 住宅用地の特例(固定資産税・都市計画税)

・小規模住宅用地(200㎡以下の部分):固定資産税の課税標準が1/6、都市計画税が1/3
・一般住宅用地(200㎡を超える部分):固定資産税が1/3、都市計画税が2/3
・この特例が外れると、土地部分の課税標準が本来の額に戻る=小規模住宅用地なら固定資産税が最大6倍、都市計画税が最大3倍(課税標準の倍率。実際の税額は負担調整措置があり一律にこの倍率にはならない。建物部分の税額は変わらない)

「6倍」はあくまで土地の固定資産税の課税標準の話で、実際の増額は土地の評価額によります。大阪市内の一般的な戸建て(土地100㎡前後)なら、年間で数万円〜十数万円の負担増になることが多く、評価額の高い地域ではそれ以上になります。

2. いつから上がるのか|「勧告」を受けた翌年度から

特例が外れるのは、市町村から「勧告」を受けたときです。流れは次のとおりで、いきなり6倍になるわけではありません。

STEP 1

市町村の調査・情報提供
近隣からの通報や巡回で状態を確認。所有者へ改善を促す通知が届きます。

STEP 2

「管理不全空家」または「特定空家」の指定と指導・助言
雑草の繁茂、屋根や外壁の破損、ごみの放置など、放置すれば特定空家になるおそれがある状態が「管理不全空家」。倒壊のおそれ・著しく衛生上有害・著しく景観を損なう状態が「特定空家」です。

STEP 3

勧告
指導に従わない場合に勧告が出されます。勧告を受けると、翌年度(1月1日時点で勧告が継続している場合)から住宅用地の特例が外れます。2023年12月13日施行の改正空家対策特別措置法により、特定空家だけでなく管理不全空家も勧告の対象になりました。

STEP 4

特定空家の場合はさらに

命令(従わないと過料)、行政代執行(解体費用は所有者負担で請求)へ進みます。

⚠️ 2023年12月の改正で「対象になる空き家」が大きく広がった

改正前は、倒壊のおそれがあるような「特定空家」に限られていましたが、改正後はその手前の「管理不全空家」の段階で勧告が可能になりました。庭の草木が道路にはみ出している、外壁が剥がれている、といった状態でも対象になり得ます。関西の自治体でも、条例と組み合わせて空き家への対応を強めている自治体が増えています(寝屋川市の空き家税、京都市の空き家税)。

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固定資産税・管理費・修繕費の年間コストと、現状のまま売却した場合の価格を比較する資料をお作りします。解体・片付けをする前にご相談ください。

3. 6倍を避ける3つの方法|管理する・活用する・手放す

方法1

管理して「管理不全」にしない
定期的な草刈り・通風・郵便物の処理・外壁や屋根の点検。自分で通えない場合は空き家管理サービス(月5,000円〜1万円程度が目安)を使う手もあります。ただし管理費は毎年かかり続け、建物の劣化は止められません(空き家の維持費は年間いくら?)。

方法2

貸す・使う(活用)
賃貸に出せば「住宅」として特例は維持されます。ただし築古の場合は貸せる状態にするための修繕費がかかり、借り手がつかない地域では現実的でないこともあります。

方法3

売却する
負担そのものをなくす方法です。「解体して更地にしてから」と考える方が多いですが、解体すると住宅用地の特例が外れて税額が上がるうえ、解体費(木造で100万〜200万円が目安)も先に出ていきます。当社では現状のまま・古家付きで売ることを先に検討します(古家付き土地の売却ガイド)。

4. 売るなら「制度の期限」から逆算する

相続した空き家を売る場合、譲渡所得から3,000万円を控除できる特例があり、売却期限は2027年12月31日とされています(要件:1981年5月31日以前建築の戸建て、相続開始から3年目の年末まで、など。詳細はこちら)。この特例が使えるかどうかで手取りが数百万円変わることがあります。

タイミング何が起きるか
2023年12月〜管理不全空家も勧告の対象に(改正空家法施行)
勧告を受けた翌年度住宅用地の特例が外れ、土地の固定資産税が上がる(負担調整措置があり一律6倍ではない)
2027年12月31日相続空き家の3,000万円特別控除の売却期限(2026年時点の制度)
2030年度京都市の空き家税が課税開始予定(他都市が追随する可能性)

「いつか片付けてから」と考えている間に、税負担は上がり、特例の期限は近づき、建物は傷んでいきます。売るかどうかを決める期限を先に置くことをお勧めします。

よくあるご質問

Q. 空き家にしているだけで、すぐ固定資産税が6倍になりますか?

なりません。市町村から「管理不全空家」または「特定空家」として指導・助言を受け、それに従わず「勧告」を受けた翌年度から特例が外れます。通知が届いた段階で対応すれば回避できます。

Q. 更地にした方が売りやすいと聞きましたが?

更地にすると住宅用地の特例が外れて税額が上がり、解体費も先にかかります。古家付きのまま売却できるケースが多いので、解体前にご相談ください。買主側で解体する前提の価格設定も可能です。

Q. 遠方に住んでいて管理に通えません。

空き家管理サービスの利用か、売却のどちらかが現実的です。当社は遠方の所有者からのご依頼が多く、現地確認・鍵の管理・契約手続きを大阪側で代行できます。 空き家・古家の売却事例もご覧ください。

まとめ:特例が外れるのは「勧告の翌年度から」。届いた通知を放置しないことが第一

空き家の固定資産税が上がるのは、住宅用地の特例が外れたときです(土地の課税標準は最大6倍になりますが、負担調整措置などがあり、納税額が一律に6倍になるわけではありません)。2023年12月の法改正で管理不全空家も勧告の対象になり、対象は大きく広がりました。管理を続けるか、貸すか、売るか——どれを選ぶにしても、「いつまでに決めるか」を先に置くことが負担を最小にする一番の方法です。

解体や片付けをする前に、現状のまま売却した場合の価格と、持ち続けた場合の年間コストを並べた資料をお作りします。物件の所在地をお知らせください。

本田 憲司

この記事の執筆者

本田 憲司代表取締役

資格: 宅地建物取引士

建設の現場と長距離トラックの仕事を経て、宅地建物取引士の資格を取り、24歳で不動産業界へ。新築マンションの販売、営業部長を経て独立。その後、不動産売却サポートの関西支社長として中古住宅・マンションの売却に携わり、2021年に関西の法人化とともに代表取締役に。新築マンションの販売で身につけた「見せ方」を売却に生かし、売主様の代わりに売る立場で、売却完了まで伴走します。

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