コラム一覧に戻る
税金・法律

相続した空き家の3,000万円特別控除は2027年12月31日まで|要件と期限から逆算する売却スケジュール

本田 憲司

執筆

本田 憲司代表取締役
相続した空き家の3,000万円特別控除は2027年12月31日まで|要件と期限から逆算する売却スケジュール

1. 相続した空き家の「3,000万円特別控除」は2027年12月31日が期限

親から相続した実家(空き家)を売却したとき、譲渡所得から最大3,000万円を控除できる「被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例」。この特例が使えるのは、現行法では2027年(令和9年)12月31日までに売却(譲渡)した場合です。

この特例で何が変わるか

たとえば相続した実家を2,000万円で売却し、取得費や譲渡費用を差し引いた譲渡所得が1,800万円だった場合。特例が使えれば課税される譲渡所得は0円、使えなければ長期譲渡の税率20.315%で約365万円の税負担になり得ます。適用できるかどうかで手取りが数百万円単位で変わる、相続不動産で最も影響の大きい特例のひとつです。

⚠️ 期限は「2つ」ある:あなたの期限は2027年末より早いかもしれない

・制度全体の期限:2027年12月31日までの譲渡(現行法。延長されるかは未定)
・物件ごとの期限:相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日までの譲渡
→ 2つのうち早いほうがあなたの実質的な期限です。例えば2024年5月に相続した場合、期限は2027年12月31日。2023年に相続した場合は2026年12月31日で、今年中の売却(引き渡し完了)が必要です。

2. 適用要件のチェックリスト

この特例は要件が細かく、ひとつでも外れると使えません。主な要件は次のとおりです。

■ 相続空き家の3,000万円特別控除・主な適用要件(2026年8月時点)
項目 要件
建物 1981年(昭和56年)5月31日以前に建築された家屋であること。マンションなど区分所有建物は対象外
相続直前の状況 被相続人(亡くなった方)が一人で居住していたこと(要件を満たす老人ホーム入所のケースは対象になる場合あり)
相続後の状況 相続から譲渡まで、事業・貸付・居住に使っていないこと(人に貸すと使えなくなる点に注意)
売却価格 1億円以下
建物の状態 耐震基準に適合させて売る、または取り壊して更地で売ること。2024年以降の譲渡では、譲渡後、翌年2月15日までに買主側で耐震改修または取り壊しを行うケースも対象に緩和
控除額の注意 2024年以降の譲渡で、その家屋を取得した相続人が3人以上いる場合は控除上限が2,000万円に減額
手続き 市区町村が発行する「被相続人居住用家屋等確認書」を添えて確定申告が必要

特に見落としやすいのが「相続後に貸すと使えなくなる」点です。「売れるまでの間だけ貸そう」と考えると特例の権利を失います。方針を決める前に、必ず全体のスケジュールを設計してください。

\ 相続した実家・空き家をお持ちの方へ /

「あなたの期限」と「特例を使った場合の手取り」を無料で試算します

相続日をお伺いできれば、適用期限から逆算した売却スケジュールをご提案します。査定・相談は無料です。

3. 期限から逆算した売却スケジュール

「期限の年の12月31日までに譲渡」とは、原則として引き渡しまで完了している必要があるということです。売り出しから引き渡しまでは一般に3〜6ヶ月かかるため、逆算すると動き出しのデッドラインは意外と早く来ます。

1
相続登記・書類の確認(〜1ヶ月)

名義が被相続人のままでは売却できません。2024年4月からは相続登記自体が義務化されており、2027年3月31日という別の期限もあります。

2
査定・売却方針の決定(1〜2週間)

そのまま売るか、解体して更地で売るか。特例の要件(耐震適合 or 取り壊し)と解体費用・売れやすさを比較して決めます。

3
売り出し〜成約(2〜4ヶ月)

残置物の整理・確認書の取得準備も並行して進めます。期限が近い場合は、当社の直接買取(最短での現金化)という選択肢もあります。

4
引き渡し → 翌年に確定申告

市区町村発行の「被相続人居住用家屋等確認書」を添えて申告して、はじめて控除が適用されます。

✅ 目安

期限の年の夏までに売り出しを開始できれば、年内の引き渡し完了に間に合う可能性が高くなります。期限の年の秋以降のスタートは、買取の併用など特別なスケジュール設計が必要です。

よくあるご質問

2027年12月31日の期限は延長されますか?

過去に延長された実績はありますが、次も延長されるかは未定です(税制改正で決まります)。「延長されるだろう」を前提にした先送りはおすすめできません。現行法の期限で間に合うよう動き、延長されたら余裕ができた、と考えるのが安全です。

実家がマンションの場合も使えますか?

区分所有建物(分譲マンション)は対象外です。ただし居住用財産の3,000万円控除(マイホーム特例)など、状況によって使える別の特例があります。詳しくは3,000万円特別控除の解説記事をご覧ください。

兄弟3人で相続しました。控除はどうなりますか?

2024年以降の譲渡では、対象家屋を取得した相続人が3人以上の場合、控除上限が1人あたり2,000万円になります。共有で売却する場合の按分や、代償分割にするかどうかで税額が変わるため、分け方を決める前のご相談をおすすめします。

遠方に住んでいて現地に行けません。

当社では遠方にお住まいの相続人の方の売却を多く手がけています。現地の確認・残置物整理の手配・写真での状況報告など、ご来阪の回数を最小限に抑えた進め方が可能です(遠方からの売却ガイド)。

まとめ:まず「自分の期限」を確定させる

相続した空き家の3,000万円特別控除は、手取りを数百万円単位で変える強力な特例ですが、「制度の期限(現行法で2027年12月31日)」と「相続から3年の個別期限」の早いほうまでに引き渡しを終える必要があります。要件も細かいため、①相続日から自分の期限を確定する ②要件に当てはまるか確認する ③期限から逆算して売り出す、の順で進めてください。当社では期限を踏まえた売却スケジュールの設計からお手伝いします。

※本記事は2026年8月時点の税制にもとづく一般的な解説です。個別の税務判断は税理士または所轄税務署にご確認ください。

本田 憲司

この記事の執筆者

本田 憲司代表取締役

資格: 宅地建物取引士

建設関係の現場と長距離トラックドライバーを経て、不動産業界に転身。新築マンション販売の最前線でリーマンショックを乗り越え、念願だった独立を果たして「不動産売却サポート関西」を立ち上げました。27年間で培った問題解決力を武器に、ご所有不動産を「自分自身の大切な資産」と捉え、売主様ご本人に成り代わって売却完了まで伴走することをお約束します。

まずはご相談ください!

まずはご相談ください!

査定は無料です。今すぐ売却のご予定がない方でも、参考としてお気軽にお問い合わせください。

0120-061-067午前10時〜午後19時