コラム一覧に戻る
完全ガイド

2025年1月から始まった物件の囲い込み規制と処分を徹底解説

2025年1月から始まった物件の囲い込み規制と処分を徹底解説

1. 不動産売却における「囲い込み」とは

不動産売却における囲い込みとは、売主から売却を依頼された不動産会社が、 自社で売主側と買主側の双方を仲介することを目的として、 売主の意向に反して他社へ物件を紹介しない、問い合わせや内見を不当に断るなど、 買主を探す機会を意図的に狭める行為をいいます。

国土交通省が示す囲い込みのイメージ

物件の取引状況を故意に隠し、事実に反して「売主都合で一時紹介停止中」と登録するなどして、 他の不動産会社からの紹介を意図的に拒否する行為が例として示されています。

両手仲介と囲い込みは同じではありません

一つの不動産会社が売主と買主の双方を仲介する「両手仲介」自体は、 直ちに違法となる取引ではありません。 問題となるのは、両手仲介を実現するために、売主の利益や意向を無視して 他社への紹介を妨げたり、取引状況を偽ったりすることです。

2. 片手仲介と両手仲介の違い

仲介手数料を受け取る相手による違い
比較項目 片手仲介 両手仲介
仲介する相手 売主または買主の一方 売主と買主の双方
仲介手数料 一方の依頼者から受領 双方から受領できる場合がある
他社との連携 他社の買主を受け入れやすい 適切に情報公開していれば問題はない
注意点 買主側会社との調整が必要 自社成約を優先すると利益相反や囲い込みの懸念が生じる

両手仲介では、一つの会社が双方から仲介手数料を受け取れる可能性があります。 そのため、自社で買主を見つけることを優先しすぎると、 他社が連れてきた購入希望者を断る動機が生まれやすいと指摘されてきました。 ただし、両手仲介の件数や比率が高いという事実だけで、囲い込みがあったと断定することはできません。

3. 囲い込みが疑われる主なケース


01

レインズの取引状況を事実と異なる内容にする

売主が紹介停止を依頼していないのに「売主都合で一時紹介停止中」と登録し、 他社からの問い合わせを受け付けにくくするケースです。


02

他社からの内見や物件確認を不当に断る

実際には紹介可能であるにもかかわらず、「申込みが入っている」「内見できない」などと回答し、 自社の購入希望者だけを優先するケースです。


03

図面や必要資料を提供せず、紹介を遅らせる

他社から資料請求があっても長期間送付せず、 購入希望者への紹介が進まない状態にするケースです。


04

他社から問い合わせがあった事実を売主へ報告しない

物件確認や内見希望があったにもかかわらず、 定期報告へ記載せず、売主が販売機会の損失に気付けないケースです。

問い合わせを断ることがすべて囲い込みになるわけではありません

書面による購入申込みがある場合、売主の希望で紹介を停止している場合、 居住中で内見日時が合わない場合など、紹介できない正当な理由もあります。 重要なのは、取引状況が事実どおり登録され、売主へ理由が説明されているかどうかです。

\ 売却中の物件が正しく公開されているか確認します /

レインズ・広告・他社からの問い合わせ状況をご相談ください

登録証明書や定期報告を確認し、売却機会が不当に制限されていないか整理します。

4. 2025年1月から何が変わったのか

2025年1月から、専属専任媒介契約または専任媒介契約でレインズへ登録した物件について、 宅地建物取引業者が物件の取引状況を登録する仕組みが法令上明確化されました。 売主が取引状況を確認しやすくする機能も強化されています。

取引状況の登録が義務化

レインズへ登録した物件について、現在の取引状況を登録し、 状況が変わった場合は正しい内容へ更新することが求められます。

登録するステータスは3種類

「公開中」「書面による購入申込みあり」 「売主都合で一時紹介停止中」のいずれかを登録します。

登録証明書に二次元コードを掲載

売主は宅建業者から交付される登録証明書の二次元コードを使い、 売主専用画面へアクセスしやすくなりました。

売主が登録内容を確認できる

物件情報と取引状況を売主自身が確認し、 覚えのない紹介停止や誤登録があれば担当会社へ訂正を求められます。

事実と異なる取引状況の登録は指示処分の対象となり得ます

実際には公開中である物件を、事実に反して紹介停止中などと登録した場合は、 宅地建物取引業法に基づく指示処分の対象となり得ます。 新制度は、囲い込みの防止と不動産流通の透明性向上を目的としています。

違反が見つかれば直ちに免許取消になるわけではありません

今回の制度改正で直接示されている行政上の対応は、虚偽の取引状況登録などに対する指示処分です。 違反があれば自動的に業務停止や免許取消になる、という制度ではありません。 処分は具体的な行為や違反状況に応じて判断されます。

5. 売主専用画面で確認できる3つのステータス

表示内容と売主が確認したいこと
ステータス 意味 確認ポイント
公開中 他の宅建業者から問い合わせや紹介を受けられる状態 通常の販売中であれば、この表示になっているか
書面による購入申込みあり 書面による購入申込みを受けている状態 申込書の内容や交渉状況について説明を受けているか
売主都合で一時紹介停止中 売主の事情により他社への紹介を一時停止している状態 自分が本当に紹介停止を依頼したか

身に覚えのない「売主都合で一時紹介停止中」はすぐ確認

紹介停止を依頼していないのにこの表示になっている場合は、 担当者へ理由と変更履歴を確認し、誤登録であれば速やかな訂正を求めてください。 やり取りはメールなど記録が残る方法で行うと安心です。

6. 囲い込みが売主にもたらすデメリット

DEMERIT 01

購入希望者と出会う機会が減る

他社が抱える購入希望者へ紹介されなければ、 本来なら成約につながった可能性のある問い合わせや内見を失います。

DEMERIT 02

売却期間が長期化しやすい

自社だけで買主を探す状態になると、購入者の母数が狭まり、 販売期間が必要以上に長くなる可能性があります。

DEMERIT 03

値下げを求められやすくなる

反響が少ない原因が情報公開の制限であっても、 価格が高いことだけを理由に値下げを提案されるおそれがあります。

DEMERIT 04

より良い条件を比較できない

複数の買主から申込みが入る機会が減り、 価格や引渡し条件を比較して選ぶことが難しくなります。

7. 買主と不動産市場への影響

囲い込みは売主だけの問題ではありません。 買主側の不動産会社が希望条件に合う物件を見つけても、 正当な理由なく紹介や内見を断られれば、買主は購入機会を失います。

買主への影響

希望物件を検討できない

公開中の物件であるにもかかわらず紹介を拒否されると、 買主は物件の存在を知っていても内見や購入交渉へ進めません。

市場への影響

公正な競争と価格形成を妨げる

情報が適切に共有されなければ、購入希望者が十分に集まらず、 需要を反映した公正な条件での取引が難しくなります。

8. 売主が囲い込みを防ぐための確認方法

1
レインズの登録証明書を受け取る

専属専任媒介・専任媒介を締結した場合は、登録後に交付される登録証明書を保管します。 物件情報に誤りがないか確認してください。

2
売主専用画面へ定期的にアクセスする

登録証明書の二次元コード、確認用ID・パスワードを使い、 取引状況が実際の販売状況と一致しているか確認します。

3
他社からの問い合わせ・内見件数を報告してもらう

自社顧客だけでなく、他社からの物件確認、資料請求、内見依頼が何件あったかを 定期報告に記載してもらいましょう。

4
広告の掲載先と公開範囲を確認する

レインズ、ポータルサイト、自社サイト、チラシなど、 どこへ掲載されているかを確認し、写真や物件情報も自分で見ておきます。

5
「他社の買主も積極的に受け入れるか」と契約前に聞く

両手仲介をするかどうかだけでなく、他社からの問い合わせや内見依頼を どのように扱う方針かを具体的に確認します。

6
疑問があれば記録を残して訂正・説明を求める

ステータスや報告内容に不審な点があれば、メールなどで説明を求めます。 改善されなければ責任者、免許行政庁、専門相談窓口への相談を検討します。

\ 大手・他社へ依頼中でもご相談いただけます /

「問い合わせがない」と言われ続けている方へ

取引状況・広告・価格設定を整理し、売れない原因がどこにあるのかを確認します。

9. 一般媒介なら囲い込みを防げるのか

一般媒介契約では、複数の不動産会社へ同時に依頼できます。 ただし、一般媒介契約には原則として法律上のレインズ登録義務がないため、 契約形態を一般媒介にしただけで、必ず広く情報が流通するとは限りません。

一般媒介の特徴

複数社へ依頼して販売機会を増やせる

複数社の販売力を利用でき、各社の活動内容を比較できます。 一方で、売主が連絡・価格・広告内容を管理する負担が増えます。

専任媒介の特徴

窓口を一本化し、登録状況を確認できる

レインズ登録、登録証明書、定期報告の義務があります。 売主専用画面を活用すれば、取引状況を自分で確認できます。

契約の名称より、不動産会社の情報公開方針が重要

一般媒介でも情報を限定すれば販売機会は広がりません。 専任媒介でも他社へ積極的に公開し、問い合わせを受け入れる会社であれば、 広く買主を探すことができます。

10. 不動産売却サポート関西の方針

不動産売却サポート関西株式会社では、売主様の利益を優先し、 物件情報を他社へも広く公開する販売活動を大切にしています。 自社で買主を見つけることだけを目的に、他社からの紹介を制限することはありません。

POLICY 01

片手仲介を原則とした販売

売主様の立場に立ち、購入希望者を抱える他社とも連携して成約機会を広げます。

POLICY 02

レインズへ正確に登録

物件情報と取引状況を適切に登録し、登録証明書を交付して売主様へご確認いただきます。

POLICY 03

他社からの反響も報告

他社からの物件確認、内見依頼、買主の反応を含め、販売状況を分かりやすく共有します。

POLICY 04

値下げ前に販売方法を検証

情報公開、写真、広告、内見対応を確認し、価格だけに原因を求めない改善をご提案します。

11. まとめ|売主自身が取引状況を確認できる時代へ

囲い込みとは、両手仲介を目的として、売主の意向に反して他社への紹介を妨げる行為です。 両手仲介そのものが直ちに違法なのではなく、虚偽の取引状況登録や不当な紹介拒否が問題になります。

2025年1月からは、専属専任媒介・専任媒介の登録物件について、 レインズの取引状況を正確に登録する仕組みが強化されました。 売主は登録証明書の二次元コードから売主専用画面へアクセスし、 「公開中」「書面による購入申込みあり」「売主都合で一時紹介停止中」の状況を確認できます。

身に覚えのない紹介停止や、他社からの反響がまったく報告されない場合は、 担当者へ根拠と活動状況を確認してください。 契約形態や会社の規模だけで判断せず、物件情報を広く公開し、 売主へ透明性のある報告を行う不動産会社を選ぶことが大切です。

よくあるご質問

両手仲介は違法ですか?

両手仲介自体は直ちに違法ではありません。問題となるのは、両手仲介を目的として売主の意向に反し、 物件情報を隠したり、他社からの紹介を不当に拒んだりする囲い込み行為です。

2025年1月から囲い込みがすべて禁止されたのですか?

2025年1月から、専属専任・専任媒介のレインズ登録物件について、 取引状況を登録し正確に保つ仕組みが強化されました。 虚偽登録などを行政処分の対象とすることで、囲い込みを防止する制度です。

「売主都合で一時紹介停止中」になっていますが、停止を依頼していません。

担当者へ理由と登録変更の経緯を確認し、誤りであれば直ちに「公開中」など正しい状況へ訂正するよう求めてください。 問い合わせ内容と回答はメールなどで記録に残しましょう。

一般媒介契約ならレインズで確認できますか?

一般媒介契約は原則として法律上のレインズ登録義務がありません。 任意で登録する会社もあるため、契約前に登録するか、どの媒体へ公開するかを確認してください。

両手仲介の比率が高い会社は囲い込みをしていますか?

比率だけで囲い込みを断定することはできません。 レインズの取引状況、他社からの問い合わせへの対応、定期報告の内容など、 個別の販売活動を確認する必要があります。

囲い込みが疑われる場合はどこへ相談すればよいですか?

まず担当者と会社の責任者へ、登録状況や問い合わせ対応の説明・訂正を求めます。 改善されない場合は、不動産会社の免許を所管する国土交通大臣または都道府県の担当窓口、 不動産取引の専門相談窓口などへの相談を検討してください。

参考資料

※本記事は2026年7月時点の一般的な法令・不動産売却実務をもとに作成しています。 行政処分の有無や媒介契約上の責任は、具体的な行為・証拠・契約内容によって個別に判断されます。 実際の対応では、媒介契約書やレインズ登録証明書を確認し、必要に応じて行政・法律の専門家へご相談ください。

まずはご相談ください!

まずはご相談ください!

査定は無料です。今すぐ売却のご予定がない方でも、参考としてお気軽にお問い合わせください。

0120-061-067午前10時〜午後19時