要点

もし今、そのようにお考えであれば、ぜひ本記事をお読みください。 実は、親御様がご存命のうちに実家を売却・処分する「生前の実家じまい」を選ぶご家庭が近年急増しています。 「とりあえずそのまま」という判断の裏には、認知症による資産凍結・多額の維持費・兄弟間の遺産分割トラブルといった見えないリスクが潜んでいます。 なぜ「相続発生前」の実家じまいが推奨されるのか、その理由と具体的な方法を、不動産業界歴27年の専門家がわかりやすく解説します。

1. 今、「生前の実家じまい」が急増している背景

日本の高齢化は急速に進んでいます。75歳以上の後期高齢者人口は2025年に約2,200万人を超え、 介護施設への入居や子ども世代との同居を選ぶ親御様が増え続けています。 その結果として生まれるのが「誰も住まなくなった実家」という問題です。

国土交通省の調査によれば、全国の空き家数は約900万戸(2023年時点)を超えており、 その多くが「相続を待っているうちに空き家になった実家」です。 こうした社会背景の中で、親が元気なうち・施設入居のタイミングで実家を整理・売却する「生前の実家じまい」を 積極的に選択するご家庭が、ここ数年で急増しています。

✅ 「生前の実家じまい」が推奨される理由

親御様がご存命・判断力がある状態での売却は、意思決定の主体が明確で、 手続きがスムーズに進みます。一方、相続発生後の売却は 相続人全員の合意・遺産分割協議・登記など複数のハードルが加わります。 「元気なうちに動ける」という状況は、実は大きなアドバンテージなのです。

2. 実家を放置すると起きる4つのリスク

「相続まで待てばいい」と実家を放置することには、見過ごしがちな深刻なリスクがあります。 特に以下の4点は、早期に対処しないと取り返しのつかない事態を招きます。

リスク
01

認知症による「資産凍結」で家が売れなくなる

不動産売却には所有者本人の「意思能力」が必要です。 親御様が認知症を発症して意思能力を失うと、本人の同意に基づく売却契約が法律上できなくなります。 これが「資産凍結」です。日本の65歳以上の認知症有病率は約15〜16%、 80歳代では約30%以上とされており、決して他人事ではありません。 成年後見制度を利用しても家庭裁判所の許可が必要で、売却までに長期間かかることがあります。

リスク
02

空き家の維持費・固定資産税が重くのしかかる

誰も住まなくなった実家でも、固定資産税・都市計画税・火災保険料・ 水道・電気の基本料金・定期的な清掃や草刈り費用は毎年かかり続けます。 築年数が古い物件では雨漏り・シロアリ・給排水設備の老朽化による 修繕費も発生します。「空き家を持っているだけでコストがかかる」という現実を しっかり認識しておく必要があります。

リスク
03

「特定空家」指定で固定資産税が最大6倍になる

2015年に施行された「空家等対策特別措置法」により、 管理が不十分で周囲に悪影響を与える空き家は「特定空家」に指定されます。 指定されると、住宅用地特例(固定資産税を最大1/6に軽減する制度)が外れ、 固定資産税額が最大6倍に跳ね上がります。 さらに2023年の改正法では「管理不全空家」という新たな区分も設けられ、 規制はより厳しくなっています。

リスク
04

相続発生後の遺産分割で兄弟間トラブルが起きる

親御様が亡くなった後、「実家をどうするか」という問題は 相続人全員での遺産分割協議が必要です。 兄弟姉妹の間で「売りたい派」「残したい派」「賃貸にしたい派」が割れると、 話し合いが長期化し、最悪の場合は家庭裁判所での調停・審判に発展します。 相続税の申告期限(10ヶ月以内)が迫る中での争いは、 家族の絆まで傷つけることになりかねません。

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3. 最大の落とし穴「認知症による資産凍結」とは

4つのリスクの中でも特に注意が必要なのが、認知症による資産凍結です。 「いつか認知症になったら…」は遠い話ではありません。 認知症の発症は突然で、本人・家族ともに気づいた時には すでに売却の意思能力を失っているというケースが実際に起きています。

資産凍結とは

認知症などで意思能力(判断能力)が失われると、本人が署名・同意する必要がある 不動産売却・預金の引き出し・各種契約行為ができなくなる状態のことです。 家族が代わりに行うことも原則として認められていません。

成年後見制度だけでは不十分なケースも

認知症になった後に利用できる「成年後見制度」は、 家庭裁判所が選任した後見人が本人の財産を管理する制度です。 しかし不動産の売却については家庭裁判所の許可が必要となり、 「本人の生活に必要」という理由がなければ許可が下りないことも多く、 自由に売却できるわけではありません。 また後見人に弁護士・司法書士が選任されると毎月の報酬(月2〜6万円程度)が発生します。

💡 事前に備える「家族信託」という選択肢

認知症になる前に活用できる手段として、「家族信託」があります。 家族信託とは、親御様が元気なうちに不動産・金融資産の管理・処分の権限を 信頼できる家族(子ども等)に契約で移しておく制度です。 親御様が認知症になった後も、信託を受けた家族が適切なタイミングで 不動産を売却・管理することができます。 ただし設定には司法書士・弁護士との連携が必要です。当社でもご紹介可能です。

⚠️ 「まだ元気だから大丈夫」が最も危険

認知症は自覚しにくく、家族も「そういえば最近物忘れが多いけど…」と 気づいたときには意思能力の問題が起きているケースがあります。 「元気なうちに動ける」というタイミングは、思っているよりずっと短い窓口です。 介護が始まる「前」に、家族で話し合っておくことが何よりも大切です。

4. 相続発生前に実家じまいをする4つのメリット

リスクを回避するだけでなく、生前の実家じまいには積極的なメリットもあります。

親御様が意思決定に関与でき、後悔のない売却ができる

生前の売却は、親御様自身が「いくらで売るか」「誰に売るか」「いつ売るか」を 決められます。長年住んだ家を自分の意思で次の方に引き渡せることは、 精神的な納得感につながります。相続後の売却では遺族が代わりに決断するため、 「本当にこれでよかったのか」という後悔が残るケースもあります。

売却代金を介護費用・老後資金に充当できる

施設入居費用・医療費・介護用品など、老後にかかる費用は想定以上に膨らむことがあります。 生前に実家を売却することで、まとまった資金を介護費用として活用できます。 「実家はあるけどお金がない」という状況を防ぎ、 親御様の生活の質を守ることができます。

相続時の遺産分割トラブルを未然に防げる

生前に実家を売却して現金化しておくと、相続時の財産分割がシンプルになります。 不動産はそのままでは分割しにくい財産です。 現金であれば法定相続分に従って分けやすく、 兄弟間の「誰が何を相続するか」という争いを大幅に減らすことができます。

空き家による維持費・劣化・近隣トラブルを回避できる

誰も住まなくなった家は急速に劣化します。 雨漏り・シロアリ・不法投棄・草木の繁茂など、 放置すれば近隣の方への迷惑にもなります。 生前に売却・処分することで、こうした金銭的・社会的な負担を丸ごと回避できます。

5. 実家じまいの主な方法と選び方

実家じまいは「売却一択」ではありません。状況・目的に応じていくつかの選択肢があります。 それぞれの特徴を把握したうえで、最適な方法を選びましょう。

売却

不動産を売却してまとまった現金を得る

最もシンプルな実家じまいの方法。売却後は維持費もなく、相続の手間も大幅に減ります。介護費用・老後資金への充当にも最適です。

✅ まとまった現金が得られる
✅ 維持費・管理の手間がなくなる
✅ 相続時の分割がシンプルになる

× 売却後は元に戻せない
× 譲渡所得税がかかる場合がある

賃貸

賃貸に出して家賃収入を得る

売却はしたくないが、空き家のまま放置したくない場合の選択肢。家賃収入を介護費用に充てることもできます。

✅ 家賃収入が得られる
✅ 所有権を手放さずに済む
✅ 将来的に売却も可能

× 管理の手間・費用が発生
× 空室リスクがある
× 相続時は所有権問題が残る

家族信託

信頼できる家族に管理・処分権限を移す

親御様が元気なうちに子どもへ管理権限を移す法的な仕組みです。認知症による資産凍結を防ぎ、適切なタイミングでの売却が可能になります。

✅ 認知症後も子が売却できる
✅ 後見制度より柔軟に対応できる
✅ 親の意思を残しつつ対策できる

× 設定に専門家費用が必要
× 信頼できる受託者が必要

生前贈与

子どもへ生前に贈与して承継する

相続税対策として子どもや孫へ不動産を贈与する方法です。相続時精算課税制度などを活用することで税負担を軽減できる場合があります。

✅ 相続税対策として有効
✅ 承継先を明確にできる

× 贈与税が発生する場合がある
× 売却時の税計算が複雑になることも
× 税理士への相談が必須

✅ 多くのケースで「売却」が最もシンプルで有効

賃貸・信託・贈与にもそれぞれメリットはありますが、 「すぐに現金が必要」「管理の手間をなくしたい」「相続トラブルを防ぎたい」という ほとんどのご要望に対して、「生前売却」が最もシンプルで効果的な選択肢です。 売却後の税金(譲渡所得税)については「3,000万円特別控除」などの特例が使える場合もありますので、 税理士との連携のうえで検討することをお勧めします。

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司法書士・弁護士・税理士との連携のもと、最適な実家じまいをサポートします。

6. 親子で話し合うための3つのポイント

「実家じまいをしたほうがいい」と頭でわかっていても、 実際に親御様と話し合うのは容易ではありません。 「生きているうちに家を売るなんて」「まだそんな話は早い」と 話を遮られてしまうこともあるでしょう。 以下の3つのポイントを意識することで、話し合いをスムーズに進めることができます。

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ポイント1:親御様の「気持ち」を最初に受け止める

実家は親御様にとって、子育ての記憶が詰まった大切な場所です。 「売れ」「処分しろ」という言い方は絶対に避け、まず 「家についてどう思っているか」を聞くことから始めましょう。 親御様が「実は維持が大変になってきた」「誰かに使ってもらえれば」と 思っているケースも多く、その本音を引き出すことが最初のステップです。

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ポイント2:「放置するリスク」を数字・事例で共有する

感情論ではなく、固定資産税の額・維持費の試算・認知症発症率などの 具体的な数字を使って話し合うと、親御様も納得しやすくなります。 「近所の○○さんのお宅も同じ状況で困っていたけど…」という身近な事例も有効です。 「子どものために」ではなく「親御様自身のために」という視点で伝えましょう。

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ポイント3:専門家を交えた話し合いの場を設ける

子ども同士が「売ろう」「いや待とう」と議論するより、 不動産会社・司法書士・税理士などの専門家を交えた話し合いの場を設けると 議論が整理されやすくなります。当社では、実家じまいに関するご家族向けの 無料相談会も承っています。「専門家が言うなら仕方ない」という形で 親御様の背中を押すきっかけになることも多いです。 また、一度で結論を出そうとせず、複数回に分けた対話を心がけましょう。

⚠️ 話し合いを先送りにしないために

親御様が70代・80代になってくると、介護・入院・認知症などの問題は 突然やってきます。「来年の帰省のときに話し合おう」と思っているうちに、 次に帰省したときには意思能力の問題が起きているというケースも珍しくありません。 今すぐ「売る・売らない」の結論を出す必要はありませんが、 「どうするか話し合ったことがある」という状態にしておくことが大切です。

7. 不動産売却サポート関西へのご相談

不動産売却サポート関西株式会社は、大阪市中央区本町に事務所を置き、 大阪府下を中心に関西全域で不動産売却を専門とする会社です。 「わかりやすく・ていねいに」をモットーに、お客様とご家族が 安心して実家じまいを進められるよう、以下のサポートを提供しています。

サポート 01

実家の現状診断と最適な選択肢のご提案(無料)

売却・賃貸・家族信託など、物件の状況・ご家族の状況をヒアリングしたうえで、最適な選択肢をわかりやすくご提案します。

サポート 02

9,000万件のデータに基づく正確な査定

市場データに裏付けられた根拠ある査定をご提示。「思ったより高く売れた」というお声をいただいています。

サポート 03

司法書士・弁護士・税理士との専門家連携

相続・法律・税金・家族信託など専門家の知識が必要な問題も、当社が窓口となってワンストップで対応します。

サポート 04

遠方の実家・空き家も対応

お子様が大阪以外にお住まいの場合や、親御様が遠方にいる場合も対応可能。オンライン相談・書類の郵送対応も承ります。

8. まとめ|「元気なうちに話し合える」今が、最大のチャンス

「誰も住まなくなった実家をとりあえずそのままに」という判断には、 認知症による資産凍結・空き家の維持費・固定資産税の増大・兄弟間の遺産トラブルという 4つの深刻なリスクが潜んでいます。

一方、親御様が元気なうちに行う「生前の実家じまい」は、 親の意思を尊重した売却・介護費用への充当・相続トラブルの予防・空き家リスクの回避という 4つのメリットをもたらします。売却・賃貸・家族信託など選択肢はさまざまですが、 多くのケースでは「生前売却」が最もシンプルで有効な方法です。

大切なのは「今すぐ結論を出すこと」ではなく、「今すぐ話し合いを始めること」です。 親御様がご自身の意思で決められる「今」という時間は、思っているよりずっと短いかもしれません。 不動産売却サポート関西株式会社では、遠方の実家・空き家・処分に困っている不動産をお持ちの方に、 不動産をより良く売るためのアドバイスをご提供しています。 売却後の住み替えまでトータルでサポートします。まずはお気軽にご相談ください。

よくあるご質問(FAQ)

実家じまいとは何ですか?

実家じまいとは、親が施設入居や同居などで誰も住まなくなった実家を、売却・賃貸・解体などの方法で整理・処分することをいいます。近年は相続発生を待たず、親御様が元気なうちに行う「生前の実家じまい」を選ぶご家庭が急増しています。

親が認知症になると実家が売れなくなるのはなぜですか?

不動産の売却には所有者本人の「意思能力」が必要です。認知症が進行して意思能力を失うと、本人の同意に基づく契約が法律上できなくなります。これを「資産凍結」といいます。成年後見制度を利用しても家庭裁判所の許可が必要なため手続きが煩雑になります。

空き家のままにしておくとどんな費用がかかりますか?

固定資産税・都市計画税・火災保険料・水道・電気の基本料金・清掃・管理費用・建物の修繕費などがかかります。また「特定空家」に指定されると、固定資産税の住宅用地特例が外れ、税額が最大6倍になるリスクもあります。

相続発生前に実家を売却するメリットは何ですか?

主なメリットは4つです。①親が意思決定に関与でき後悔のない形で進められる、②売却代金を介護費用・老後資金に充当できる、③相続時の遺産分割を巡る兄弟間トラブルを未然に防げる、④空き家による維持費・税負担・劣化リスクを回避できる点です。

親が「家を売りたくない」と言っています。どうすればよいですか?

親御様にとって実家は思い出の詰まった大切な場所です。まずは将来起こりうるリスクを丁寧に共有し、「賃貸として活用する」「家族信託で権限だけ移す」といった売却以外の選択肢も含めて話し合うことをお勧めします。専門家を交えた複数回の対話が有効です。

実家じまいを大阪・関西で相談するにはどうすればよいですか?

不動産売却サポート関西株式会社では、遠方の実家・空き家・処分に困っている不動産をお持ちの方のご相談を無料で承っています。売却・賃貸・家族信託など各選択肢の比較から、司法書士・弁護士・税理士との連携による専門的サポートまでトータルに対応いたします。まずはお気軽にご連絡ください。