コラム一覧に戻る
完全ガイド公開 / 更新

机上査定・訪問査定とは?違いと所要時間、差額が出る理由

本田 憲司

執筆

本田 憲司代表取締役
机上査定・訪問査定とは?違いと所要時間、差額が出る理由

結論:机上査定とは・訪問査定とは

机上査定(きじょうさてい)=現地を見ずに、所在地・面積・築年数などの情報と周辺の取引事例から出す概算の査定。結果は早ければ数時間、通常1〜2日程度で届きます。
訪問査定=担当者が現地で建物の状態・日当たり・周辺環境などを確認したうえで出す査定。現地調査は30分〜1時間程度、結果は数日後が一般的です。
まず相場感をつかむなら机上査定、売却を具体的に考えるなら訪問査定が向いています。

1. 机上査定と訪問査定、そもそも何が違うのか

不動産の査定には大きく「机上査定(簡易査定)」と「訪問査定(現地調査を伴う査定)」の2種類があります。名前は聞いたことがあっても、実際に何がどう違うのかは、意外と正確に理解されていない方が多い印象です。

机上査定とは、物件の所在地・面積・築年数・階数・向きといった基本情報と、周辺の取引事例や公示地価などのデータをもとに、不動産会社が事務所で算出する査定です。現地には行かず、資料と数字のみで金額を出します。一方の訪問査定は、机上査定の情報に加えて、担当者が実際に物件へ足を運び、建物の状態・日当たり・眺望・周辺環境・道路状況などを目視で確認したうえで算出する査定です。

大阪市内のマンションのように取引事例が豊富なエリアでは机上査定の精度もある程度安定しますが、堺市や北摂エリアの戸建て・土地のように個別性が強い物件では、現地確認の有無で査定額の見え方が変わってくることがあります。

2. 精度の違いはどこから生まれるのか

机上査定は「データがすべて」の査定です。周辺の成約事例や公示価格、路線価などをベースに算出するため、短時間で概算をつかむには向いていますが、次のような要素は反映されません。

  • 室内のリフォーム状況や設備の新旧
  • 日当たり・眺望・臭いや音などの環境要因
  • 外壁や屋根、給排水など建物の傷み具合
  • 接道状況や土地の形状(旗竿地・高低差など)
  • マンションの管理状態や共用部の印象

訪問査定では担当者がこれらを目視で確認するため、机上査定よりも実態に近い金額が出やすくなります。ただし訪問査定も「絶対に正確な金額」を保証するものではなく、あくまで売却活動を始める段階での目安であることは変わりません。実際の成約価格は、内覧時の印象や交渉、市況によっても変動します。

📌 補足

机上査定の金額と訪問査定の金額に差が出るのは自然なことです。
差が大きい場合は「なぜその差が出たのか」を担当者に確認すると、物件のどこが評価され、どこが弱点なのかが見えてきます。

3. 所要時間と手間の違い

机上査定は、物件情報を入力・伝達するだけで完了するため、早ければ数時間、通常でも1〜2日程度で結果が届くことが一般的です。忙しい方や、まずはざっくり相場を知りたいという方には向いています。

訪問査定は、担当者との日程調整が必要になり、現地調査自体は30分〜1時間程度ですが、結果が出るまでに数日かかることが多くなります。売却の実行段階に近づいている方、正式に媒介契約を検討している方は、訪問査定を受けたうえで具体的な販売戦略を相談するのが実務的な流れです。

⚠️ 注意点

「訪問査定=すぐ売らないといけない」というわけではありません。
訪問査定を受けたあとに売却を見送っても問題はありませんので、時期を迷っている段階でも相談しやすい会社を選ぶことが大切です。

3-2. 訪問査定の当日の流れと、見られるポイント

訪問査定の当日は、おおむね次の流れで進みます。室内を細かく採点されるものではないので、大がかりな片付けは不要です。

①

ヒアリング
売却の理由や希望の時期、住み替えの予定、気になっている点をうかがいます。

②

室内・建物の確認
間取り、日当たり・眺望、水回りなどの設備の状態、リフォームの有無を確認します。

③

敷地・周辺の確認
戸建て・土地は、道路との接し方、境界、高低差、隣地との関係を見ます。マンションは共用部分の管理状態も確認します。

④

書類の確認と質疑
手元の書類(固定資産税の通知書、購入時の契約書など)を見せていただき、疑問にお答えします。

マンションでは「室内の状態」と「管理の状態」、戸建て・土地では「道路・境界・建物の傷み」が、机上査定との差になりやすいポイントです。

4. 机上査定と訪問査定の使い分け方

どちらが良い・悪いという話ではなく、目的に応じて使い分けるのが実務的な考え方です。目安を整理すると次のようになります。

■ 机上査定と訪問査定の使い分けの目安
状況向いている査定理由
まだ売るか決めておらず相場感を知りたい机上査定手間が少なく、複数社に比較依頼しやすい
相続・離婚などで概算の資産価値を知りたい机上査定短期間で複数の目安を集めやすい
数ヶ月以内に売却を検討している訪問査定現地状況を反映した現実的な金額が分かる
リフォーム済み・設備更新済みで訴求したい訪問査定プラス要素を金額に反映してもらいやすい
築古戸建てや旗竿地など個別性が強い物件訪問査定机上だけでは実態を反映しきれない

大阪市内のマンションなど事例が多いエリアでまず相場感をつかみたい場合は、机上査定を数社に依頼して比較し、その中から気になった会社に訪問査定を依頼する、という2段階の進め方も実務ではよく行われています。

\ まずは相場感から知りたい方も /

無料相談でご自宅の目安をチェック

机上査定・訪問査定のどちらから始めるか、状況に合わせてご提案いたします。

5. 査定額の根拠をどう見るか

査定額を受け取ったときに、金額の高さだけで判断してしまうのは注意が必要です。実務上大切なのは「その金額がどんな根拠で出ているか」を確認することです。具体的には次のような点を担当者に聞いてみると良いでしょう。

・近隣のどの取引事例を参考にしているか
・その事例と自分の物件で条件が異なる点(築年数・階数・向き・リフォーム状況など)
・査定額の中に「早期に売れる想定額」と「時間をかければ狙える上限額」のどちらが含まれているか
・過去の同種物件の成約までの期間の目安

特に、根拠の説明が曖昧なまま高い金額だけを提示してくるケースは、後日値下げを重ねて長期化するリスクがあります。査定額は「販売活動のスタートライン」であり、成約価格とは異なるという前提を持っておくことが、後悔しない売却につながります。

5-2. 査定書(机上査定書)の読み方

査定の結果は、査定書やメールで届きます。書式は会社ごとに違いますが、次の項目を順に確認すると、金額の意味を取り違えずにすみます。

査定書で確認したい項目
項目確認するポイント
査定価格一つの金額か、幅(下限〜上限)で示されているか。「売り出し価格の提案」なのか「売れると見込む価格」なのか
査定の方法マンション・土地は周辺の取引事例と比べる方法(取引事例比較法)が中心。戸建ての建物部分は、建て直した場合の費用から古くなった分を差し引く方法(原価法)が使われることがあります。投資用の物件では、家賃収入から計算する方法(収益還元法)も使われます
比較に使った事例所在地・築年数・面積・単価が載っているか。成約した価格か、売り出し中の価格かで意味が変わります
補正の内容事例との違い(階数・向き・時期・状態など)をどう加減したか
前提条件面積や権利関係を何で確認したか、机上査定なら「現地未確認」の前提が書かれているか

比較に使った事例が売り出し中の物件ばかりの場合は、実際に売れる価格より高めに出ていることがあります。気になる点は、担当者に遠慮なく聞いてください(査定額が高すぎる?実際に売れる価格の見極め方)。

5-3. 机上査定と訪問査定の差額はなぜ出る?AI査定との違い

机上査定と訪問査定で金額が何割違う、という決まった目安はありません。差の大きさは、現地を見て初めて分かる情報がどれだけあるかで決まります。

・差が小さくなりやすい:取引事例が多い地域のマンション、築年数が浅く標準的な間取りの物件
・差が大きくなりやすい:戸建て・土地(道路との接し方・境界・高低差・建物の傷み)、大がかりなリフォーム済みの物件、事例が少ない地域

インターネットで数十秒で金額が出るAI査定(自動査定)は、机上査定の一種です。統計データから自動で計算するため手軽ですが、担当者による補正が入らないぶん、個別の事情は反映されません。AI査定や机上査定の金額は「入口の目安」として使い、売却を具体的に考える段階で訪問査定を受けるのが確実です。

6. 査定前に準備しておくと精度が上がる資料

机上査定・訪問査定のいずれでも、次のような資料を事前に用意しておくと、より実態に近い査定額の説明を受けやすくなります。

・マンションの場合:管理費・修繕積立金がわかる書類、間取り図、購入時の売買契約書
・戸建て・土地の場合:確定測量図や公図、建築確認済証・検査済証
・共通:固定資産税の納税通知書、リフォーム歴・設備更新歴のメモ、住宅ローンの残高がわかる書類

特に住宅ローンの残債は、売却時に完済できるかどうかの判断に直結するため、査定と並行して早めに確認しておくことをおすすめします。資料がすべて揃っていなくても査定自体は可能ですが、揃っている分だけ説明の精度が上がり、後の媒介契約や販売活動もスムーズに進みやすくなります。

よくあるご質問

机上査定の金額だけで売却の意思決定をしても良いですか?

目安をつかむ段階では問題ありませんが、実際に売却活動を始める前には訪問査定を受け、現地の状態を反映した金額を確認しておくことをおすすめします。机上査定は概算、訪問査定は実態に近い金額という位置づけで考えると分かりやすいです。

訪問査定は何社に依頼するのが良いですか?

目安として2〜3社程度に依頼し、根拠の説明や対応の丁寧さを比較する方が多い印象です。金額の高さだけでなく、根拠の説明が具体的かどうかを重視して選ぶことをおすすめします。

訪問査定を受けたら、その会社に売却を依頼しないといけませんか?

そのような義務はありません。訪問査定はあくまで金額の目安を知るためのものですので、複数社を比較したうえで、媒介契約を結ぶ会社を改めて選ぶことができます。

訪問査定の所要時間はどのくらいですか?

現地での確認は30分〜1時間程度が一般的です。物件の広さや、ご相談の内容によって前後します。査定結果は、現地調査の数日後に届くことが多いです。

住所だけで机上査定を頼めますか?

当社では、物件の所在地が分かれば、周辺の事例から価格の目安をお出しできます。面積・築年数・間取りなどが分かると、目安の精度が上がります。

まとめ: まずは目的に合った査定から始めましょう

机上査定は手軽に相場感をつかむのに向き、訪問査定は現地の状況を踏まえた実態に近い金額を知るのに向いています。売却の検討段階に応じて使い分け、査定額を受け取ったら根拠までしっかり確認することが、大阪・関西で納得のいく売却につながる第一歩です。

※本記事は2026年8月時点の一般的な情報にもとづきます(2026年9月に査定書の読み方・訪問査定の流れなどを追記)。個別の税務は税理士等の専門家にご確認ください。

本田 憲司

この記事の執筆者

本田 憲司代表取締役

資格: 宅地建物取引士

建設の現場と長距離トラックの仕事を経て、宅地建物取引士の資格を取り、24歳で不動産業界へ。新築マンションの販売、営業部長を経て独立。その後、不動産売却サポートの関西支社長として中古住宅・マンションの売却に携わり、2021年に関西の法人化とともに代表取締役に。新築マンションの販売で身につけた「見せ方」を売却に生かし、売主様の代わりに売る立場で、売却完了まで伴走します。

まずはご相談ください!

まずはご相談ください!

査定は無料です。今すぐ売却のご予定がない方でも、参考としてお気軽にお問い合わせください。

0120-061-067(午前10時〜午後7時)