金利上昇で買い控えが進む前に|大阪の不動産売却で考えたいこと


2026年10月|住宅ローン金利と大阪市場の最新動向
2026年9月30日、大手銀行5行は10月から適用する住宅ローン金利を発表しました。 みずほ銀行・三井住友信託銀行・りそな銀行の3行が変動型の基準金利を0.25%引き上げ、 9月にすでに引き上げた2行と合わせ、 5行すべての基準金利が年3.375%となっています。 日本銀行の利上げ以降、5行とも段階的に金利を引き上げており、 最も信用力の高い借り手に適用される最優遇金利も 年1.195%〜1.7%となり、全行で1%を超えました。
なお、日本銀行は2026年9月18日に政策金利を 1.25%程度へ追加利上げしています。 10月の大手行の住宅ローン金利改定は主に6月利上げ分を反映したもので、 9月利上げ分は今後の金利見直しに波及する可能性があります。
新規契約者には10月から、既存契約者には2027年1月ごろから適用される見込みです。 変動型を選ぶ住宅購入者は契約者全体の約8割を占めており、 返済負担の増加が幅広い層に直接影響します。 金利上昇を受け、返済期間を40年・50年に延ばした超長期ローンを利用する動きも出ており、 毎月の返済額を抑えようとする購入者の資金繰りの苦しさがうかがえます。
大阪の不動産市場では、すでに中古マンションの成約件数が2期連続で減少しており、 買い控えの前兆が数字に表れはじめています。 返済負担がさらに増す環境では、 購入を見送ったり予算を引き下げる買主が増えることが予想されます。 売却を検討している方にとって、この動向は無視できない変化です。
金利上昇が買主の購買力を直撃している:数字で見る実態
住宅金融支援機構の調査(2025年4月)によれば、 住宅ローン利用者の約79%が変動型を選択しています。 この層が最も直接的に今回の利上げの影響を受けます。 金利上昇が買主の資金計画に与えるインパクトを、 具体的な数字で確認しましょう。
| 適用金利(変動型) | 月々の返済額 | 利上げ前との差額 | 35年間の総返済額 |
|---|---|---|---|
| 0.40%(2024年・マイナス金利解除前後) | 77,600円 | —— | 約3,260万円 |
| 0.78%(2025年初ごろの水準) | 81,644円 | 月+4,044円 | 約3,429万円 |
| 1.00%(2026年6月 政策金利引き上げ後の参考水準) | 83,200円 | 月+5,600円 | 約3,494万円 |
| 1.25%(2026年10月・最優遇金利1.195%〜に近い参考水準)◀ 今 | 86,000円 | 月+8,400円 | 約3,612万円 |
| 1.50%(将来の参考水準) | 87,600円 | 月+10,000円 | 約3,679万円 |
※借入3,000万円・35年返済・元利均等・変動金利型の試算。
実際の返済額は借入条件によって異なります。
※2026年10月時点、大手銀行5行の最優遇金利は年1.195〜1.7%。
表の「今」はこれに近い参考水準として1.25%を示しています。
出典:イオン銀行・三菱UFJフィナンシャルグループ
マネーキャンバスほか各社シミュレーションをもとに当社作成
⚠️ 金利が1%上昇すると、買主の購買力は約15%低下する
同じ年収・同じ月々返済額の上限内で借りられる最大金額(借入可能額)は、 住宅ローン金利が1%上昇すると 約15%低下するとされています(各社試算)。 3,500万円の物件を購入できた買主が、 金利上昇後には約3,000万円の物件しか手が届かなくなる計算です。 売主から見れば、 「今の価格帯で買える買主の数が減る」ということを意味します。
さらに、3,000万円・35年ローンで金利が1%上昇すると、 月々の返済額は約1万4,000円増加し、 35年間の総返済額では 約520〜600万円もの差が生じます。 この「返済負担増」の現実が、 買主の購入意欲に直接ブレーキをかけています。
大阪市場のデータはすでに「買い控え」のサインを示している
金利上昇の影響は「これから」の話ではありません。 大阪・近畿圏の不動産市場では、 すでにその前兆が数字に表れています。
4,967件
前年比 −4.8%
近畿圏 中古マンション
2026年4〜6月期 成約件数
1,356件
前年比 −9.2%
大阪市 中古マンション
2026年4〜6月期 成約件数
+18.8%
成約価格+9.0%との乖離
近畿圏 新規登録価格
前年同期比の上昇率
出典:公益財団法人近畿不動産流通機構(近畿レインズ) 「2026年4〜6月期 近畿圏不動産流通市場の動向」
近畿圏の中古マンション成約件数は 2期連続で前年を下回っています。 特に大阪市では前年比9.2%減という大きな落ち込みです。 「成約件数の減少」は、 金利上昇などによる購買意欲の低下が すでに市場に影響を与えていることを示す先行指標です。
一方で成約価格はまだ高い水準を維持しています (近畿圏:前年比+9.0%、大阪市:前年比+8.7%)。 価格が高い状態を保っているのは、 供給不足や建築コスト高などの下支え要因があるからです。 しかしこの「高い価格+少ない成約件数」という組み合わせは、 長く続くとは限りません。
⚠️ 「売出価格」と「成約価格」の乖離が拡大中
近畿圏では、 売主側の新規登録価格(売出価格)が前年比+18.8%と上昇する一方、 実際の成約価格は+9.0%にとどまっています。 ポータルサイトに「同じマンションが5,000万円で売り出されている」 という情報は、 5,000万円で「売れた」ことを意味するものではありません。 在庫が増え、さらに買主の購買力が下がれば、 価格の調整圧力が高まる可能性があります。
中古戸建てはマンションと異なる動き
2026年4〜6月期の近畿圏中古戸建ては、 成約件数が3,824件で前年比+3.2%、 平均成約価格は2,427万円で前年比+4.2%でした。 マンションが「価格上昇・成約減少」であるのに対し、 戸建ては「価格上昇・成約増加」という対照的な動きを示しています。
「大阪の不動産市場」を一括りにせず、 マンション・戸建て・土地、 さらに大阪市・北摂・堺市など、 物件種別とエリアごとに状況を判断することが重要です。
「買い控え本格化」シナリオのタイムライン
今後の市場がどのような流れで動く可能性があるか、 日銀の利上げスケジュールと 不動産市場への影響をタイムラインで整理します。
3月〜
2024年3月に解除後、段階的な利上げが続き、 住宅ローン金利の上昇局面が始まりました。
6月16日
固定金利は先行して上昇。 変動金利にも一定の時間差をもって影響が及びます。
9月18日
9月24日から新たな金融市場調節方針を適用。 9月利上げ分は今後の住宅ローン金利へ 段階的に波及する可能性があります。
10月
▲ 今
大手銀行5行が10月適用の金利を発表。 変動型の基準金利は全行が年3.375%となり、 最優遇金利も全行で1%を超えました。
2028年
金利上昇が続けば借入可能額は下がり、 買主が購入できる価格帯が縮小する可能性があります。
2030年
エリアや物件状態による二極化が進み、 駅近・管理良好な物件と、 条件面で劣る物件との差が拡大する可能性があります。
📌 「売却準備3〜6ヶ月」を逆算すると、早めの準備が重要
不動産売却は査定依頼から成約・引渡しまで、 一定の期間を要します。 「買い控えが本格化してから考える」のでは、 市場が変化した後に売却活動を開始することになる可能性があります。 売却するか決めていない段階でも、 現在の査定価格を把握しておくことが大切です。
「価格が高い今」と「買える人が多い今」は両立する最後のタイミング
売主の方が「高く売りたい」と思うのは当然です。 しかし「高く売れる」ためには、 「高い価格でも買える買主がいること」が前提です。 その前提が今、 金利上昇によって変わり始めています。
現在の大阪市場では、 「成約価格がまだ高い水準」である一方、 金利上昇によって買主側の借入可能額が低下し始めています。 金利がさらに上昇すれば、 高値を維持しながら成約できる物件と、 価格調整が必要になる物件との差が広がる可能性があります。
✅ 「価格が下がる前に売る」だけでなく「買える人が多いうちに売る」という視点
不動産価格が突然大きく崩れるとは限りません。 しかし、 「買える人が減る → 問い合わせ・内覧が減る → 成約まで時間がかかる → 価格調整が必要になる」 という流れは起こり得ます。 販売開始直後は新着物件として注目されやすいため、 最初の価格設定と販売戦略が特に重要です。
買い控え市場で高値成約するために売主が今取るべき4つのアクション
最新の「成約価格」に基づく査定で、今日の市場価格を把握する
1年前・半年前の査定額は、 現在の市場を正確に反映していない可能性があります。 最新の成約事例に基づいた査定で 「今ならいくらで成約できそうか」を確認することが、 売却計画の出発点です。
「売出価格」と「成約価格」を混同しない
ポータルサイトに掲載されている価格は、 あくまで「売りに出している価格」です。 実際に取引が成立した成約価格を基準に、 適正な売出価格を設定することが重要です。
囲い込みなし・片手仲介の会社を選び、買主候補を広く集める
買い控えが進む局面では、 できるだけ多くの買主候補に物件情報を届けることが重要です。 レインズへの登録や他社への情報公開を適切に行い、 買主候補を限定しない販売活動が求められます。
問い合わせ・内覧状況を確認し、早めに販売戦略を修正する
売り出し後の問い合わせ数や内覧数は、 市場からの重要な反応です。 反響が弱い場合は、 価格設定・広告・物件の見せ方などを確認し、 早めに販売戦略を見直すことが重要です。
不動産売却サポート関西株式会社がご提供できること
不動産売却サポート関西株式会社は、 大阪市中央区瓦町に事務所を構え、 大阪府下を中心に関西全域で不動産売却専門の仲介を行っています。 「取引・立場・金額の透明性の徹底」を経営理念に、 売主様の不動産売却をサポートしています。
強み 01
9,000万件のデータに基づく根拠ある査定
全国13万棟以上の分譲マンションデータと 近畿レインズの成約事例をもとに、 売出価格ではなく 「実際に成約した価格」を重視した査定をご提示します。
強み 02
片手仲介の徹底・囲い込みなし
当社は売主様のみを代理する片手仲介を原則としています。 物件情報を広く公開し、 他社の買主候補にもアプローチします。
強み 03
CGホームステージング+360°バーチャル内見
CGホームステージングや360°バーチャル内見を活用し、 オンライン上でも物件の魅力が伝わる販売活動を行います。
強み 04
詳細な活動報告と価格戦略の随時見直し
問い合わせ数・内覧数・買主の反応などを共有し、 市場の動きに合わせて 販売戦略や価格戦略の見直しをご提案します。
\ 売ると決めていなくても大丈夫です /
「今の価格」と「今の市場」を一緒に確認しましょう
査定は無料です。
「今が売り時かどうか」を判断するための
情報収集だけでも構いません。
大阪市・堺市・北摂をはじめ、関西全域に対応しています。
受付時間:10:00〜19:00(水曜・年末年始 定休)
よくあるご質問
金利が上昇すると不動産の売却にはどんな影響がありますか?
住宅ローン金利が上昇すると、 買主が借りられる最大金額が低下する可能性があります。 その結果、 売主の希望価格で購入できる買主が減り、 成約件数の減少や売却期間の長期化につながることがあります。
2026年10月から変動金利は上がりますか?
2026年9月30日、 大手銀行5行は10月から適用する住宅ローン金利を発表しました。 変動型の基準金利はいずれも年3.375%となり、 最優遇金利も全行で1%を超えています。
大阪の中古マンション市場は今どうなっていますか?
2026年4〜6月期の近畿圏中古マンション成約件数は 4,967件で前年比マイナス4.8%、 大阪市では1,356件でマイナス9.2%となっています。 一方で平均成約価格は前年を上回っています。
買い控えが本格化する前に売却するにはどうすればいいですか?
まず最新の成約事例に基づく査定を受け、 現在の市場価格を確認することが第一歩です。 そのうえで、 適正な売出価格、 広く買主を募集できる販売体制、 売却開始後の反響確認と戦略修正が重要です。
今すぐ売却する気がなくても査定を依頼してもいいですか?
はい、問題ありません。 査定を受けたからといって、 必ず売却する必要はありません。 「今なら自分の物件はいくらで売れるのか」を 確認するためだけでも査定を活用できます。
今後、大阪の不動産価格はどうなりますか?
金利上昇が続けば、 買主の購買力低下や成約件数の減少を通じて、 価格への調整圧力が生じる可能性があります。 ただし、 エリア・駅距離・築年数・管理状態などによって 市況は大きく異なります。
参照・出典

この記事の執筆者
本田 憲司代表取締役資格: 宅地建物取引士
建設の現場と長距離トラックの仕事を経て、宅地建物取引士の資格を取り、24歳で不動産業界へ。新築マンションの販売、営業部長を経て独立。その後、不動産売却サポートの関西支社長として中古住宅・マンションの売却に携わり、2021年に関西の法人化とともに代表取締役に。新築マンションの販売で身につけた「見せ方」を売却に生かし、売主様の代わりに売る立場で、売却完了まで伴走します。



