リースバックとは?仕組み・買取価格の目安・デメリットと会社の選び方【大阪】


「自宅を売ってまとまった資金をつくりたい。でも住み慣れた家からは離れたくない」——そんなご要望に応える方法がリースバックです。自宅を売却して現金を受け取り、同じ家に賃貸として住み続ける仕組みで、老後資金の確保や住宅ローンの整理、事業資金づくりなどに使われています。一方で、売却価格が市場相場より低くなりやすい、家賃負担が発生する、契約形態によっては長く住み続けられない——といった注意点を知らずに契約して後悔するケースも少なくありません。この記事では、リースバックの仕組み・価格と家賃の目安・メリットと注意点・後悔しないためのチェックポイントを、大阪の不動産売却専門会社が中立の立場で解説します。
この記事のポイント
リースバック=「売却」+「賃貸借契約」のセット。所有権は買主(運営会社等)に移り、以後は家賃を払って住み続ける
買取価格は市場相場の6〜8割程度が一般的な目安。家賃は買取価格に連動して決まる
契約形態(普通借家か定期借家か)と買戻し条件が「住み続けられるか」を左右する最重要チェックポイント
資金づくりが目的なら、通常売却・任意売却・リバースモーゲージとの比較検討が必須
リースバックとは?仕組みをかんたんに
リースバックは正式には「セール・アンド・リースバック」と呼ばれ、次の2つの契約を同時に行う取引です。
売買契約:自宅をリースバック運営会社(不動産会社・ファンド等)に売却し、代金を一括で受け取る
賃貸借契約:売却したその家を借り、家賃を払って住み続ける
所有権は買主に移るため、固定資産税・都市計画税や(マンションの場合の)管理費・修繕積立金の負担はなくなります。その代わり、以後は毎月の家賃が発生します。「持ち家」から「賃貸」に切り替わる、と考えるとイメージしやすい仕組みです。
リースバックのメリット
住み続けながら現金化できる:引越し不要。お子様の学区や生活環境を変えずに資金をつくれます
資金化が早い:市場で買主を探す通常売却と違い、運営会社が直接買い取るため、最短数週間で決済できるケースもあります
売却したことが周囲にわかりにくい:広告や内覧がなく、外から見た生活は変わりません
固定資産税等の負担がなくなる:所有コストは家賃に一本化されます
将来の買戻しができる場合がある:契約に買戻し特約等を付けられる商品もあります
注意点・デメリット:後悔の多くはここから
① 売却価格は市場相場より低くなりやすい
リースバックの買取価格は、市場相場の6〜8割程度が一般的な目安とされています(物件・エリア・運営会社により幅があります)。運営会社は将来の転売リスクや空室リスクを織り込んで買い取るためです。「まとまったお金は必要だが、住み続ける必要は必ずしもない」という方は、通常売却と手取り額を比較してから決めるべきです。
② 家賃負担が発生する(相場より高めのことも)
リースバックの家賃は周辺の賃貸相場ではなく、買取価格に対する利回りから逆算して決まるのが一般的です(年間家賃=買取価格×年6〜10%程度で計算される例が多く、会社や物件によって異なります)。そのため周辺賃貸相場より高くなるケースがあり、長く住むほど「受け取った売却代金を家賃で返していく」構図になります。何年住む予定かで損益分岐が変わるため、必ず総額で試算しましょう。家賃の計算式と、市場価格3,000万円の家での具体例はリースバックの家賃相場と計算式で詳しく解説しています。
③ 契約形態によっては住み続けられない
賃貸借契約には、更新して住み続けられる普通借家契約と、期間満了で原則終了する定期借家契約があります。リースバックでは2〜3年の定期借家契約が使われることが多く、再契約の保証がない場合は期間満了で退去を求められる可能性があります。「ずっと住めると思っていた」という後悔の典型がこれです。
④ 買戻しは「思ったより高い」ことが多い
買戻し価格は売却価格より1〜3割程度高く設定されるのが一般的です。買戻しを前提にする場合は、価格・期限・条件を必ず書面で確認してください。
向いているケース・向かないケース
向いているケース
老後資金・医療介護資金・事業資金など、まとまった現金が早期に必要で、かつ今の家に住み続けたい
住宅ローンの返済が苦しいが、子どもの卒業まで数年は転居を避けたい(任意売却+リースバックの併用が検討できます)
相続対策として自宅を現金化しつつ、住環境は変えたくない
向かないケース
住み続ける必要が特にない → 通常売却の方が手取りは大きいのが原則です(仲介と買取の違いも参考に)
長期(10年超など)住み続けたい → 家賃総額が売却代金を上回っていく可能性が高く、定期借家なら再契約リスクもあります
ローン残債が買取価格を大きく上回る → 抵当権を外せないため原則実行できません。この場合は任意売却の検討が先になります(ローン残債がある家の売却も参照)
リースバックの流れ
1. 相談・通常売却の価格を知る:まず市場で売った場合の価格(査定額)を把握します。リースバックの条件が良いかどうかは、この価格と比べないと判断できません
2. リースバック会社の条件提示:買取価格・家賃・契約形態(普通借家か定期借家か)・期間・買戻しの条件が示されます
3. 比較・検討:複数社の条件と、通常売却・買取・任意売却など他の方法を並べて、何年住むか・手元にいくら残るかで比べます
4. 売買契約と賃貸借契約:売買と賃貸借の2つの契約を同時に結びます
5. 決済:売却代金を受け取ります。住宅ローンが残っていればこの時に完済します。決済後は家賃の支払いが始まります(開始日は契約で確認)。引越しはありません
リースバック会社の選び方・比較のポイント
リースバックは、運営する会社によって条件の差が大きい取引です。次の点を比べてください。
買取価格だけでなく家賃とのセットで比べる:買取価格が高い会社は家賃も高くなりがちです。「何年住むと、受け取ったお金がいくら残るか」で比べます
契約形態と再契約の条件:長く住みたいなら普通借家契約か、定期借家なら再契約の条件が書面に明記されているか
家賃の改定と修繕の負担:家賃を上げる条件、設備が壊れたときの修理の負担が誰か
買戻しの価格と期限:将来買い戻したい場合、価格と期限が契約書に書かれているか
他の方法とも比べてくれるか:リースバックしか扱わない会社より、通常売却・買取・任意売却と並べて提案できる会社のほうが、あなたに合う方法を選びやすくなります
契約前チェックリスト
国土交通省は2022年6月に「住宅のリースバックに関するガイドブック」を公表しており、契約内容の事前確認の重要性が指摘されています。最低限、次の項目は書面で確認してください。
買取価格の根拠(市場相場と比べて何割か)——複数社での比較が有効です
家賃の金額と改定条件、敷金・保証会社の要否
契約形態(普通借家か定期借家か)、期間、再契約の条件
買戻しの可否・価格・期限
修繕費の負担区分(所有者負担か入居者負担か)
退去時の条件(原状回復・立退き時期)
よくあるご質問
リースバックの買取価格はどれくらいになりますか?
物件や運営会社によりますが、市場相場の6〜8割程度が一般的な目安です。まず通常売却の査定額(市場相場)を把握したうえでリースバックの提示額を見ると、条件の良し悪しを判断できます。当社の無料相談では両方の目線でご提示可能です。
家賃はどうやって決まりますか?
周辺の賃貸相場ではなく、買取価格に対する利回りからの逆算で決まるのが一般的です(年間家賃=買取価格×年6〜10%程度で計算される例が多く、会社や物件によって異なります)。買取価格が高いほど家賃も高くなる関係にあるため、「高く売って安く借りる」は原則成立しません。総支払額での試算が重要です。計算例はリースバックの家賃相場と計算式をご覧ください。
ずっと住み続けられますか?
契約形態によります。普通借家契約なら正当事由がない限り更新して住み続けられますが、リースバックで多い定期借家契約は期間満了で原則終了し、再契約は保証されません。「何年住みたいか」を先に決め、それを満たす契約形態かを必ず確認してください。
住宅ローンが残っていてもリースバックできますか?
買取価格でローンを完済できる(アンダーローン)なら可能です。残債が買取価格を上回る場合は抵当権を抹消できないため原則実行できず、金融機関の合意を得て売却する任意売却との併用を検討することになります。残債額の把握が最初の一歩です。
リースバックとリバースモーゲージはどう違いますか?
リースバックは「売却」なので所有権が移り、まとまった現金を一括で受け取ります。リバースモーゲージは自宅を担保にした「融資」で、所有権は残りますが、年齢制限や資金使途の制限、担保評価の見直しリスクがあります。資金の必要額・時期・家を残したいかどうかで適否が分かれます。
まとめ:リースバックは「比較してから」が鉄則
リースバックは、住み続けながら現金化できる優れた仕組みである一方、通常売却より手取りが少なくなるのが原則です。だからこそ、①市場相場(通常売却の査定額)を先に把握する、②複数社の条件を比較する、③契約形態と再契約条件を書面で確認する——この3つを踏めば、後悔の大半は防げます。
リースバックが最適かどうか、中立の目線で診断します
当社は通常仲介・即時買取・リースバック・買取保証・任意売却まで全6プランを扱う売却専門会社です。「あなたの場合はどれが最も手取りが大きいか」から一緒に考えます。まずは売却方法のご案内をご覧いただくか、お気軽にご相談ください。

この記事の執筆者
本田 憲司代表取締役資格: 宅地建物取引士
建設の現場と長距離トラックの仕事を経て、宅地建物取引士の資格を取り、24歳で不動産業界へ。新築マンションの販売、営業部長を経て独立。その後、不動産売却サポートの関西支社長として中古住宅・マンションの売却に携わり、2021年に関西の法人化とともに代表取締役に。新築マンションの販売で身につけた「見せ方」を売却に生かし、売主様の代わりに売る立場で、売却完了まで伴走します。



